パッシブハウス施工日誌① ~概要編~

こんにちは。新津組 代表の新津です。

2022年より、佐久平パッシブハウス(PHI認定申請予定)の工事が本格化します。
「パッシブハウスとはどういう建築なのか」ということを、
多くの人に体感(これが重要!)で知っていただくことを目的としたプロジェクトです。

着工から完成までには約8ヶ月の予定。
このブログでは、工事の様子や見学会のスケジュールなどを随時発信していきたいと思います。
今回は第一弾として建物の概要を簡単に説明していきます。

建物概要

名称:佐久平パッシブハウス(PHI認定申請予定)
設計:ondesignパートナーズ(西田司・秋元俊介) + KEY ARCHITECTS(森みわ)
施工:新津組

構造:木造在来 2階建
延床面積:182.56㎡(55坪) 1階139.27㎡(42坪)+ 2階43.29㎡(13坪)

屋根断熱:高性能グラスウール300mm吹き込み + フェノールフォーム100mm付加
壁断熱:高性能グラスウール105mm充填 + フェノールフォーム100mm付加
基礎断熱:底盤下 XPS100mm + 基礎立ち上がり外部 発泡ガラスボード100mm + 基礎立ち上がり内部 フェノールフォーム100mm
開口部:佐藤の窓スマートウィン + コシヤマ断熱ドア
換気・空調:給気冷暖房ユニットZehnderComfohome + 外気清浄機トルネックス
給湯:ペレットボイラーKloverPFP160 + 太陽熱温水器 + エコジョーズ
補助暖房:土壁パネル暖房
発電:太陽光発電パネル5kw(将来、蓄電池 or V2Hシステムに接続予定)

断熱性能について


断熱性能は充填断熱と付加断熱を基本としており、
外皮性能(建物の魔法瓶性能)を表すUA値は約0.20。
国が2022年に定める最新の基準で最高等級となる、断熱等級7をクリアしています。
パッシブハウス認定の取得を予定しているため、暖房需要は15kWh/㎡・aを下回っています。

窓について


窓は全箇所に「スマートウィン佐藤の窓」を使用。
2020年春よりパッシブハウス・ジャパン会員限定で完全受注生産されている木製窓です。
国産材使用・国内製作でありながら世界最高クラスの断熱性、気密性、熱橋防止性、日射取得率を持ち、
価格帯は従来の国産木製サッシとほぼ変わらないという、超高性能窓です。
この窓が開発されたことで国産パッシブハウスが技術的にもコスト的にも一気に身近になりました。

換気・空調について


パッシブハウスに代表される高性能建築専用のユニットZehnderComfohome(ゼンダー コンフォホーム)。
換気・暖房・冷房・除湿・空気清浄を一台でこなすことができます。
外気取入口には、フィルターを水洗いできる電気集塵機トルネックスを接続。
ゼンダーへの負担を減らして換気空調システム全体のメンテナンス性を高めています。

給湯と再生可能エネルギーについて


晴れの昼間は太陽熱温水器でお湯を沸かし、室内に設置した給湯タンクに溜めておきます。
天気の悪い日や夜間は、長野県産のペレット燃料をペレットボイラーで燃焼し貯湯します。
太陽光と木質バイオマスという再生可能エネルギーを「熱水」に変えて貯蔵する形です。
念のため、都市ガスの給湯器をバックアップとして設置しています。

土壁暖房パネルについて


国内初採用となるドイツ製の土壁暖房パネル。
土を練って成形したパネルに不凍液配管を埋め込み、珪藻土などの左官材料で蓋をします。
気流を作らない輻射式暖房であり、厚みのある自然素材による調湿性や蓄熱性も期待できます。
上記の熱水を熱源にするため、冬でも化石燃料に頼らない暖房として活躍する予定です。

太陽光発電パネルについて

ガレージの屋根に太陽光パネル5kwを搭載しています。
自家消費を前提とした、ごく平均的な容量ですが、
そこは建物自体の消費エネルギーが極小となるパッシブハウス。
この程度のパネル容量でもゼロエネルギー・ゼロカーボンを実現できる見込みです。
将来的に蓄電池か電気自動車を導入し、自家消費率を更に増やす予定です。

以上です。
今回ざっくりと説明した各所の特徴は、また次回以降のブログで詳しく紹介したいと思います。
スペックだけでは語れない「生活の質」の向上も記していきたいですね。

ではまた!

施工日誌②、地盤調査編はこちら

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